Water Tank水槽防水工事の必要性
水槽の防水モルタルが経年変化によって脆弱しますと、「水質保全」と「構造物の保護」の機能が低下しますので、防水工事が必要になります。現存の水槽を撤去し、現行の建築基準法に準拠した水槽を新設することも、一つの選択肢ですが、設備費の負担と立地条件(特に都心部)をクリアしなければなりません。
また、給水方法を増圧式にして、水道本管から直接ポンプによって各住宅へ給水する方法も一つの選択肢です。
この場合は、受水槽が不要となりますが、万一の災害時や、ポンプ類、及びそれを制御する電気系統の不測の事故による給水停止時の飲料水の確保の問題が予想されるため、受水槽は、現行通り設置して、そこから増圧・供給する方法が、一般的に採用されているようです。 この場合は、現存の受水槽の防水工事が必要になります。
鉄筋コンクリート製受水槽の改修の防水工法は、塗膜防水が最も多く採用されています。塗膜防水は、樹脂系防水材を内面に塗装して、耐水性のある硬化塗膜を形成して防水する方法です。
塗膜防水に使用される樹脂は、従来エポキシ樹脂が主流です。しかし、エポキシ樹脂に含まれる「ビスフェノールA」が環境ホルモンとして特定され、テレビなどのマスコミでセンセーショナルに報道されたために、ポリエステル樹脂(FRP)が採用されるようになりました。
しかし、食器に使用されているポリカーボネイト樹脂や塗膜防水のエポキシ樹脂から食品や飲料水に溶出する程度の「ビスフェノールA」では、生体に対する影響性が各国の機関の臨床実験において、「影響なし」と報告されています。
塗膜防水についての法的な規制について
団地、マンション等の集合住宅や、オフィスビルの給水施設の法的な取り扱いは、規模の大小によって、専用水道、簡易専用水道、小規模給水施設に、厚生省の水道法で分類されています。
しかし、これらの施設の接水する部分に使用する塗料(主に受水槽の内面防水材)についての規制は、基本的にありません。しかし、直接、飲料水と接触する塗料ですから、塗料中の成分が水中に溶出すると危険です。
したがって、このような塗料は、上水道に規制される日本水道工業規格(JWWA-K-135)の溶出試験に準拠した塗料が通常、使用されています。また、これらの施設の維持管理は、厚生省のビル管理法によって規制されています。
アクアボンド塗膜防水のメリット
アクアボンドの防水工事の最大のメリットは、アクアボンドが水中や、湿潤面で、施工の出来る塗料であるということです。
一般的に、塗装工事は、塗装表面を乾燥してから施工します。しかし、受水槽が鉄筋コンクリートの場合、表面を強制的に乾燥してから塗装しますが、コンクリートは、多孔性の構造体ですから、強制的な乾燥によって、水分がコンクリートの中に浸透します。
この状態で、塗装しますと、塗料が硬化するまでの時間内に、内部に浸透した水分が温度勾配によって、コンクリート表面に移行し、未硬化の塗料と塗装表面の界面に水分が介在することになります。この状態(背圧)の接着では、所定の強度を発揮することは出来ません。水槽に使用されていたコンクリート製の躯体を完全に乾燥するには、環境条件によって異なりますが、相当な日数がかかります。従って、乾燥が条件となる塗料では、乾燥に必要な日数の間、給水のための大規模な仮設が必要になります。
また、比較的規模の大きい受水槽は、間仕切りによって完全に独立した2槽式があります。 この場合は、1槽で給水しながら、他槽を施工するので、仮設は不要になりますが、間仕切り用の壁面に結露がある場合は、剥がれの原因になります。このような現象がおきないためにも、アクアボンドをお勧めします。